有理化
- 有理化とは
- レベル1
- レベル2
- レベル3(高校生向け)
- 補足
有理化とは
有理化
分母に根号(ルート)を含む分数式を,分母に根号を含まない形に変形する操作を(分母の)有理化といいます。
有理化の操作で使っている性質は
『分数の分母と分子に同じ数をかけてもその分数の値は変わらない』
というあたりまえの性質です。(例えば,)
ですから有理化でやることは,いわゆる通分(あるいは約分)です。
その過程で,自分の欲しい形が得られるように仕向けるのです。
レベル1
早速例を挙げましょう。
(例1)
が正の実数のとき, であることを利用しています。
(例2)
(例3)
操作の後で約分が発生することもあります。
(例4)
(例3)と同じ式ですが,約分が発生することを見越して
最初から約分の形で変形することもできます。
分母がルートを使わない形になりさえすればよいのです。
それでは,さっそく問題です。
例題1
次の各式の に当てはまる値を求めてください。
(1)
(2)
(3)
(4)
累乗根と指数法則(有理数の指数まで)
本記事を読むにあたって,こちらの記事も参考にしてください。
累乗根の性質
, は正の整数とします。累乗根 について,次の性質が成り立ちます。
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
それぞれ一つずつ確認していきましょう。
(1) について
ですが
となる を と表すのですから
が言えます。
(例1):
(2) について
ですが
となる を と表すのですから
が言えます。
(例2):
(3) について
ですが
となる を と表すのですから
が言えます。
(例3):
(4) について
ですが
となる を と表すのですから
が言えます。
(例4):
(5) について
, で
であり
ですから
が言えます。
(例5):
例題1
次の各式の に当てはまる値を求めてください。
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
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累乗根
累乗根
を実数, を自然数とします。
乗して になる実数を, の 乗根といいます。これと同様に,
乗して になる実数を, の 乗根といいます。
乗根, 乗根, 乗根, をまとめて累乗根といいます。
乗根は平方根, 乗根は立方根とも言います( 乗根に関しては,平方根と呼ぶことが多いです)。
例を考えてみましょう。
(例1)
なので, は の平方根です。
また なので, も の平方根です。
(例2)
なので, は の 乗根(立方根)です。
(例3)
なので, は の 乗根(立方根)です。
同じように, 乗根や 乗根の例も考えてみてください。
お手元の紙などに書いて確かめながら考えてみてください。
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指数法則(aの0乗,aのマイナス乗まで)
例題1
は でない実数とします。次の等式の ~ に当てはまる数を答えてください。
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
たとえば は「2の4乗(じょう)」と読み
のように
個の の積を表すのでした。
「」 の の右上にある小さく書いた にあたる数を指数と言いますね。
同様に, は 個の の積とします。
このことをもとに考えましょう。
絶対値記号を含む不等式
本記事と合わせてこちらの記事も参考にしてください。shibiremath.hatenablog.com
例題1
次の についての不等式を解いてください。
「絶対値」とは何だったか考えてみましょう。
ある数 の絶対値とは
数直線上における に対応する点と原点との距離です。
言い換えると,ある数 の大きさと言ってもよいでしょう。
すなわち件の不等式 は
という数の大きさは, 以下である
という主張ととらえることができます。
そのような数 は数直線上のどの位置にあるでしょうか?
絶対値が 以下の数は,次の数直線の赤い部分にあります。
また赤い部分にある数は何であっても,その大きさは 以下です。
したがって, であり
各辺から を引けば となります。
例題1の解答
では,こちらの不等式も,同様に考えてみてください。
例題2
次の についての不等式を解いてください。
同じものを含む順列の考え方
本記事を読む前に,こちらの記事もぜひ参考にしてください。
例題1
の つの数字を並べてできる 桁の整数は何通りありますか。
これは,わざわざ紙に書かなくてもできるくらい簡単ですね。
例題1の解答
の 通りです。
では,こうするとどうでしょう。
例題2
の つの数字を並べてできる 桁の整数は何通りありますか。
お手元に紙など用意して考えてみてください。
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