このブログについて
このブログでは、数学関連で自分が気になったことを気になったように書き綴っていこうと思います。
そう言いつつ高校生以下の数学で学習する話題がメインになると思います。
今のところ解説記事もかなり初学者向けに書いています。
少しでも多くの学生たちの勉強の参考になればいいなと思って書いていきます。
内容にミスなどあればご指摘ください。凹みながらも修正します。
以上です。よろしくお願いします。
単位円による三角関数の定義
本記事では単位円を使った三角関数の定義について紹介し
またそれをもとに,三角関数の性質について解説します。
よりわかりやすい解説を目指し
第1象限の角,第2,第3,第4象限の角,というように
それぞれの場合について考えていきます。
定義
単位円による三角関数の定義
座標平面上に,原点 を中心とする半径 の円を描き
点 とします。
また円周上の任意の位置に点 をとり, とします。
このとき,点 の座標を, と表します。
また, の条件のもとで とします。
このページでは,上の図を【定義の図】と呼ぶことにし
以降,この図をアレンジしながらたびたび扱います。
と言ってもこのままではわかりにくいかもしれません。
各象限に分けて,例を見てみましょう。
度数法と弧度法
- はじめに
- 円周率の復習
- 本題 弧度法
はじめに
小学校でも習うように,角度は一周を として測ります。
これは度数法といって,最もよく知られている角度の測り方です。
一方で,より進んだ数学を学ぶとき
角度の表現には度数法ではなく弧度法と呼ばれる方法が一般的に使われます。
本記事では弧度法について,また弧度法と度数法の対応について説明します。
円周率の復習
ところで度数法において一周を とするのはなぜかというと
一説によれば, という数が などの
多くの数で割り切ることができるので
都合の良い数として使われているそうです。
都合の良い…数学的にはだいぶ曖昧な理由で決められていたんですね。
いまさら広く知れ渡っている度数法に物申すわけでもないですが
例えば約数が多いだけなら,一周を ではなく
もっと大きな他の数にしても良かったはずですから。
さて一方で弧度法は,数学的にある重要な定数をもとに決められます。
それはずばり,円周率です。
円周率は,これも小学校で習いますが,そのときは多くの場合次のように教わります。
\begin{align}
\frac{円周}{直径} = 円周率
\end{align}
これは,どんな円でも,円周の長さと直径の長さの比は常に等しくて
その値を円周率と呼ぶ,ということです。
そしてこの円周率を記号 で表し,その値は のように
無限に続く小数で表されるのでした。
言い換えると
どんな円でも,円周の長さは常にその円の直径の 倍くらいだ
ということです。
では,次でいよいよ弧度法について説明します。
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一般角
- 角の意味を広くとらえる
- 一般角
- 例題
角の意味を広くとらえる
例えば,時計の針を12時の状態から始めて
①12時半まで動かしたとき
②2時半まで動かしたとき
それぞれの場合で,長針のはじめの位置とのずれはどちらも ですが
針の回転した量は違いますね。
12時半まで進めたときは半回転,2時半まで進めたときは2回転半です。
"2回転半"は,1回転を の回転ととらえれば
の回転と言えるでしょう。
また,同じく時計の針を12時の状態から始めて
①10分進めたとき
②10分戻したとき
それぞれの場合で,長針の回転した量は同じ ですが
回転の向きは違います。
10分戻すには反時計回りに 回転,10分進めるには時計回りに 回転します。
数学では,このように を超える角を考えたり
回転の向きによって,角度に正・負の符号をつけて考えたりします。
このような角度の拡張した考え方を,一般角と言います。
二重根号
数学の問題を解いていると,ときどき のように
ルートの中にルートの数があるような数に出くわすことがあります。
このような数の表記を二重根号と呼ぶことがあるのですが
二重根号で表された数の一部はその形を回避することができます。
本記事ではその手法について例題とともに解説します。
- Step1
- Step2
- Step3
- 補足
Step1
以下の内容を理解する上でとくに重要なことは
平方根における次の性質です。
上のような式で見ると難しく見えるかもしれませんが
実際は次の例のようなよくある計算です。
(例1):
(例2):
のときは上の(例1),(例2)のようになります。
乗して になる数で正のものを と表すのですから
は 乗して になる数で正のもの,すなわち である
というのは,当たり前です。
ただし次の例のように, のときは注意が必要です。
(例3):
(例4):
一見すると,当たり前の計算と思うかもしれません。
しかし, は正しいですが は正しくないですよね。
負の数の平方根は実数範囲では存在しないので
で表された数が負の数になってはまずいのです。
これら(例3),(例4)が先に述べた平方根の性質における2行目の式
『 のとき 』 の例となります。
というわけです。
注意すべきこと
のとき
上の式において,“見た目のイメージ”から を負の数だと思わないこと。
そもそも とことわっているので は正の数である。
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