累乗根と指数
本記事と合わせてこちらの記事も参考にしてください。
突然ですが,クイズです。
クイズ【平方根と指数】
は,指数を使って表記できます。
つまり, と表記でき,そのような数 が存在します。
この に当てはまる数はなんでしょう?考えてみてください。
↓この下の部分をドラッグすると,ヒントが読めます。
ヒント①:指数法則が成り立つとして考えてみてください。
ヒント②: はどのような性質を持つ数でしょうか。その性質を,式で表記してみてください。
クイズ【平方根と指数】の解説
まず, とは の平方根であり,つまり 乗して になる数です。
式で言えば です。
そこで, として式を書き直すと ですから
ここから指数法則が成り立つとして式を変形してみると
\begin{align}
(2^X)^2 &= 2\\
(2^X) \times (2^X) &= 2\\
2^{X+X} &= 2\\
2^{2X} &= 2\\
\end{align}
となります。この式が成り立つには であればよいので
とするのが妥当でしょう。
実際に数学において,正の実数 に対して とされます。
というわけで, です。
わからなかった方も,クイズの真似をして
次の問題を考えてみてください。
例題1
とします。次の式の に当てはまる数を答えてください。
(1)
(2)
例題1の解答
(1)
ですから ,すなわち です。
これが成り立つには となればよいです。
(2)
ですから ,すなわち です。
これが成り立つには となればよいです。
以上の例のように,累乗根は指数を使って表記することができ
次のように定義されます。
累乗根と指数
を正の実数, は正の整数とします(つまり は有理数)。このとき
\begin{align}
a^{\frac{m}{n}} = \sqrt[n]{a^m}
\end{align}
と定義します。また,指数が負の数のときは次のようになります。
\begin{align}
a^{-{\frac{m}{n}}}=\frac{1}{\sqrt[n]{a^m}}
\end{align}
補足 負の指数
指数法則は,指数が有理数のときも成り立ちます。
それによれば は次のように考えることができます。
\begin{align}
a^{-{\frac{m}{n}}} = (a^{\frac{m}{n}})^{-1} = (\sqrt[n]{a^m})^{-1} = \frac{1}{\sqrt[n]{a^m}}
\end{align}
例題2
とします。累乗根の記号で表記されたものは指数による表記に,また指数で表記されたものは累乗根の記号による表記に直してください。
たとえば は に
反対に は に直してください。
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
(7)
例題2の解答
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
(7)
本記事と合わせてこちらの記事もお読みください。