累乗根と指数法則(有理数の指数まで)
本記事を読むにあたって,こちらの記事も参考にしてください。
累乗根の性質
, は正の整数とします。累乗根 について,次の性質が成り立ちます。
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
それぞれ一つずつ確認していきましょう。
(1) について
ですが
となる を と表すのですから
が言えます。
(例1):
(2) について
ですが
となる を と表すのですから
が言えます。
(例2):
(3) について
ですが
となる を と表すのですから
が言えます。
(例3):
(4) について
ですが
となる を と表すのですから
が言えます。
(例4):
(5) について
, で
であり
ですから
が言えます。
(例5):
例題1
次の各式の に当てはまる値を求めてください。
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
例題1の解答
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
間違ってしまった人は,もういちど「累乗根の性質」の式をよく見ながら
どの性質と対応しているか,確認してみてくださいね。
さて,つぎに指数法則についてです。
既に他のページでも紹介している指数法則ですが
今回は指数法則と累乗根を対応させてみましょう。
指数法則と累乗根の性質を合わせて考えると,次のように計算することができます。
(例6):
(例7):
(例8):
(例9): が正の実数のとき
さっきからさりげなく通分していますがこれは上記の累乗根の性質の(5)に対応します。
(例10):
において とすると
ですが,両辺を指数表記にすれば
がいえます。
では,次の問題を考えてみてください。
例題2
は正の実数とします。次の各式の に当てはまる値を求めてください。
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
例題2の解答
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
累乗根による表記から指数による表記へ,あるいはその逆の変換をスムーズに行い
好きなほうで計算できるようにしましょう(私は指数表記のほうが楽です)。
また計算の結果を書くときはどちらの表記でも良いですが
マーク式テストのように解答の形が決まっているときは
それに合わせた形に直しましょう。