"不等式を解く"とは?
この記事では,不等式を解くための具体的な操作については
とくに触れないものとします。
"不等式を解く"とはどういうことか
比較的簡単な例をもとに解説します。
不等式
たとえば のように文字を含む不等式があるとき,その不等式が成り立つ文字の値をすべて求めることを,不等式を(その文字について)解く,といいます。
またその不等式を成り立たせる文字の値のことを,不等式の解といいます。
さっそく例を考えてみましょう。
(例1):
についての不等式 は, のとき成り立ちます。
したがって, はこの不等式の解です。
しかし の解は のみではありません。
具体的には は 以上の実数なら何でも成り立ちます。
反対に,それ以外の解はありません。
このとき, の解は である,といえば
この不等式を解いたことになります。
(例2):
不等式 はどのようなときに成り立つでしょうか。
右辺 は,左辺 を 倍した値なので
が正の数ならどんな値でも成り立ちます。
反対に, が 以下の値では,成り立ちません
(成り立つものも成り立たないものもいろんな値を代入して,確かめてみてください)
したがって不等式 の解は です。
(例3):
不等式 は がどのような値でも成り立ちます。
したがって不等式 の解はすべての実数です。
(同じ に を足したものと を足したものなら
後者の方が大きいのは当然ですよね)
(例4):
不等式 は, がどのような値でも成り立ちません。
なぜなら が正の数でも負の数でも ですし
のときは で, は成り立ちません。
よって不等式 の解はありません。
例題1
次の についての不等式をそれぞれ解いてください。
(難しい人は, にいろいろな値を代入して考えるとよいです)
(1)
(2)
(3)
(4)
例題1の解答
(1)
(2)
(3) すべての実数
(4)
例題1がわかった方には
次のような問題はどうでしょう?
考えてみてください。
例題2
次の についての不等式をそれぞれ解いてください。
(1)
(2)
(3)
(4)
例題2
(1)
(2)
(3)
(4)