"方程式を解く"とは?
はじめに
この記事では,方程式を解くための具体的な操作については
とくに触れないものとします。
等式と方程式とはどういったものかということについて
比較的簡単な例をもとに解説します。
等式について
等式
のように,等号『』によって二つの式を結んだ式を,等式と言います。
『』は,その左側の式(左辺)と右側の式(右辺)が等しいことを意味します。
次は,正しい等式の例です。
(例1):
(例2):
(例3):
『』の両側が等しい限りはどんなにヘンテコな等式を作っても良いです。
(そのヘンテコな式に意味があるかどうかは,また別の話)
一方,次は間違った等式の例です。
(例4):
(例5):
(例6):
(例5)において,左辺 は のようにいつまでも割り切れないのですが
だから であるため,(例5)の式は正しくないです。
(例6)は,一つめの等号が明らかに成り立ちません。何か書き間違えたのでしょう。
例題1
次の各式のうち,正しいものをすべて選んでください。
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
方程式について
次に,文字を含む等式について考えます。
例えば,次のようなものです。
さて,上の等式が成り立つような の値は何でしょう?
簡単ですね。 です。たしかに です。
このように,文字を含む等式があるときに
その等式が成り立つ文字の値を求めることを
方程式を(その文字について)解く,といいます。
方程式
文字を含む等式があるとき,その等式が成り立つ文字の値を(すべて)求めることを,方程式を(その文字について)解く,といいます。
また等式を成り立たせる文字の値のことを,方程式の解といいます。
解は つしかないこともあれば,複数個あったり,無数にあったり,また解が無いこともあります。
(例7):
は, のときに成り立ちます。このとき
方程式 を について解くと である,とか
方程式 の解は である,などといえます。
(例8):
方程式 の解は で,解はこれの他にありません。
(例9):
方程式 の解は つあって, あるいは です。
(例10):
等式 は, がどんな値でも成り立ちます。
したがって,方程式 の解は無数にあります。
(例11):
等式 を成り立たせる の値は存在しません。
すなわち,方程式 の解はありません。
ところで,皆さんは小学生の頃,次のような問題を見たことがありませんか?
(問) 次の式の に当てはまる数を求めなさい。
答はもちろん なのですが,『方程式を解きなさい』という問題は
上の, に当てはまる数を求める問題と,全く同じことなのです。
例題2
次の各式が成り立つ実数 の値を求めてください。
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
例題2の解答
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
少し難しい?問題
最後に,次のような問題ではどうでしょう。
一見すると少し難しそうに見えますが
頑張って考えてみてください。
例題3
次の各式が成り立つ の値を求めてください。
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
例題3の解答
(1)
(2)
(3)
(4)
(5) を除くすべての実数