ぬうがくブログ

数学っぽいことを気になったときに気になったように書き綴ります。たまに別の趣味と混ざります。

一般角

 

角の意味を広くとらえる

例えば,時計の針を12時の状態から始めて
①12時半まで動かしたとき
②2時半まで動かしたとき
それぞれの場合で,長針のはじめの位置とのずれはどちらも 180^{\circ} ですが
針の回転した量は違いますね。

12時半まで進めたときは半回転,2時半まで進めたときは2回転半です。
"2回転半"は,1回転を 360^{\circ} の回転ととらえれば
360^{\circ} + 360^{\circ} + 180^{\circ} = 900^{\circ} の回転と言えるでしょう。

また,同じく時計の針を12時の状態から始めて
①10分進めたとき
②10分戻したとき
それぞれの場合で,長針の回転した量は同じ 60^{\circ} ですが
回転の向きは違います。

10分戻すには反時計回りに 60^{\circ} 回転,10分進めるには時計回りに 60^{\circ} 回転します。

数学では,このように 360^{\circ} を超える角を考えたり
回転の向きによって,角度に正・負の符号をつけて考えたりします。
このような角度の拡張した考え方を,一般角と言います。

 


一般角

角は,2本の直線が交わるところにできます。
0^{\circ} の基準となる直線を定め,これを始線と呼びます。
始線は xy 座標平面における x 軸の正の部分にすると考えやすいです。
始線と交わって角をなすもう一方の直線を動径と呼び
始線は固定し,動径をぐるぐると回転させるようにして角を考えます。
また,反時計回りを正の向き,時計回りを負の向きとします。

(例1):45^{\circ} の角(左)と,-30^{\circ} の角(右)

360^{\circ} より大きな角,例えば 405^{\circ} は次のように図示します。
(例3):405^{\circ} の角

405^{\circ} = 360^{\circ} + 45^{\circ} ですから動径は 45^{\circ} の角と同じ位置になります。 
405^{\circ} に限らず 45^{\circ} の角と動径を同じ位置に持つ角は
-315^{\circ}765^{\circ} など,更にそのほか無数に考えることができます。

それらはひとまとめにすれば,要するに 45^{\circ} の位置から
正あるいは負の方向に何周か回転させた角です。
そういうわけで,例えば 45^{\circ} と動径を同じ位置に持つ角は,一息に
45^{\circ} + 360^{\circ} \times n (n は整数)
と表現することができます。

一般角

一般に,\alpha ^{\circ} の角と動径を同じ位置に持つ角は整数 n を用いて
\begin{align}
\alpha ^{\circ} + 360^{\circ} \times n
\end{align}
と表すことができます。

 


例題

例題

(1) 30^{\circ} の角と動径を同じ位置に持つ角を,正のものと負のものでそれぞれ1つずつ答えてください。(ただし 30^{\circ} を除く)

(2) 30^{\circ} の角と動径を同じ位置に持つ角すべてを,整数 n を用いて表してください。

(3) 0^{\circ} の角と動径を同じ位置に持つ角すべてを,整数 n を用いて表してください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

例題1の解答

(1) 正のものの例:390^{\circ} ,750^{\circ},1100^{\circ} など
 負のものの例:-330^{\circ} , 690^{\circ} , 1050^{\circ} など

(2) 30^{\circ} + 360^{\circ} \times n

(3) 360^{\circ} \times n