一般角
角の意味を広くとらえる
例えば,時計の針を12時の状態から始めて
①12時半まで動かしたとき
②2時半まで動かしたとき
それぞれの場合で,長針のはじめの位置とのずれはどちらも ですが
針の回転した量は違いますね。
12時半まで進めたときは半回転,2時半まで進めたときは2回転半です。
"2回転半"は,1回転を の回転ととらえれば
の回転と言えるでしょう。
また,同じく時計の針を12時の状態から始めて
①10分進めたとき
②10分戻したとき
それぞれの場合で,長針の回転した量は同じ ですが
回転の向きは違います。
10分戻すには反時計回りに 回転,10分進めるには時計回りに 回転します。
数学では,このように を超える角を考えたり
回転の向きによって,角度に正・負の符号をつけて考えたりします。
このような角度の拡張した考え方を,一般角と言います。
一般角
角は,2本の直線が交わるところにできます。
の基準となる直線を定め,これを始線と呼びます。
始線は 座標平面における 軸の正の部分にすると考えやすいです。
始線と交わって角をなすもう一方の直線を動径と呼び
始線は固定し,動径をぐるぐると回転させるようにして角を考えます。
また,反時計回りを正の向き,時計回りを負の向きとします。
(例1): の角(左)と, の角(右)
より大きな角,例えば は次のように図示します。
(例3): の角
ですから動径は の角と同じ位置になります。
に限らず の角と動径を同じ位置に持つ角は
や など,更にそのほか無数に考えることができます。
それらはひとまとめにすれば,要するに の位置から
正あるいは負の方向に何周か回転させた角です。
そういうわけで,例えば と動径を同じ位置に持つ角は,一息に
( は整数)
と表現することができます。
一般角
一般に, の角と動径を同じ位置に持つ角は整数 を用いて
\begin{align}
\alpha ^{\circ} + 360^{\circ} \times n
\end{align}
と表すことができます。
例題
例題
(1) の角と動径を同じ位置に持つ角を,正のものと負のものでそれぞれ1つずつ答えてください。(ただし を除く)
(2) の角と動径を同じ位置に持つ角すべてを,整数 を用いて表してください。
(3) の角と動径を同じ位置に持つ角すべてを,整数 を用いて表してください。
例題1の解答
(1) 正のものの例: など
負のものの例: など
(2)
(3)