円順列の考え方
以前,こちらの記事で円順列の考え方を紹介しました。
それとは別の考え方もあり
よく目にする上に汎用性も高いので
先の記事とは別の円順列の考え方を本記事では解説します。
例題は,先の記事と同じものを使います。
例題1
円卓の周りに席が席あります。A,B,C,D,Eの人がこの席に人ずつ着席するとき,何通りの着席のしかたがありますか。ただし,つの席にはとくに違いはないものとします。
円順列の面倒なところは,なんといっても
回転させて同じになるものは同じ順列として扱わなければいけないところです。
具体的には,例えば次のつのパターンは同じ順列として扱います。
ここで,"A"から見た視点を想像してみてください。
いずれのパターンにおいても人の並びは,Aから見て
Aの右隣にE,そのEの右隣にD,またAの左隣にB,そのBの左隣にCと位置しています。
つまりAから見たときの相対的な位置がどのパターンでも同じであるとわかります。
そこで,Aの位置を最初に決めてしまいましょう。
相対的な位置が同じであれば良いので,誰でも良いから人決めて
その人を適当に座らせて,残る人の位置を考えれば良いというわけです。
この考え方ならば,はじめに人の位置を固定しているので
回転を考慮してややこしくなる心配がありません。
そういうわけで,人による円順列の総数は
人の位置を固定すれば,実質的に4人で作る順列を求めることになるので
(通り)
となります。
一般に,異なる 個のものでつくる円順列の総数は
通り になります。
例題1の解答
人の位置をあらかじめ決めてしまえば,残る人の順列を考えるだけで良いので
(通り) です。
それでは,この考え方を利用して,次の問題を考えてみてください。
例題2
円卓の周りに席が席あります。父,母,その子供人の合計人がこの席に人ずつ着席するとき,次のような条件での着席のしかたはそれぞれ何通りありますか。ただし,つの席にはとくに違いはないものとします。
(1) すべての着席のしかた
(2) 父と母が隣合わせに着席するとき
(3) 父と母が向かい合わせに着席するとき
例題2の解答
(1) すべての着席のしかた
6人でつくる円順列の総数となるので
(通り) です。
(2) 父と母が隣合わせに着席するとき
"父"の着席する位置を真上に固定すると,母の着席する位置は次の通りです。
そうすると父と母の位置は固定されるので
それぞれにおいて人の子供の順列だけを考えれば良いので
(通り) です。
(3) 父と母が向かい合わせに着席するとき
"父"の着席する位置を真上に固定すると,母の着席する位置は通りに決まります。
したがって残る人の子供の順列を考えれば良いので
(通り) です。